二週間ぶりに彼に会った。
この前より落ち着いてる。
なんだかんだ言いながら、やっぱり別れられないでいる自分。
わかっていたけど。
こうやって乗り越えていく度にあたしは何かを失っている。
それは彼への期待であったり、希望であったり望みだったり。
そうしてどんどんと、彼にとって都合のいい女へとなっていく。
結婚してほしいとわめけばいいのか。
奥さんと別れてほしいと泣けばいいのか。
自分の存在を知らしめてしまえばいいのか。
そんなことできないあたしは、結局彼の思い通りの都合のいい女になっていく。
ものわかりのいい女を演じるのが精一杯。
それは自分の思ってることを素直に言えないでいる罰なのか。
彼を失うことが恐くて、何もできないでいる罰なのか。
本当はものわかりのいい女なんかじゃない。
ただの臆病者だ。